そのテレビだが、かつてはテレビの花形だった音楽番組も、近年は予算がかかるため減少している。このため今年4月まで冠番組のなかったSixTONESをグループで見られる機会は少なかったといえる。一方で、Snow Manは冠番組「それスノ」があったことは大きかった。

 Snow Manの売れ方は、バラエティー番組を通して認知度を高めた男性アイドルのパイオニアであるSMAPを彷彿とさせる。

 まず、全員がそろって出演する冠番組「それスノ」がある。これはかつての「SMAP×SMAP」に通じる“旗艦番組”だ。どれだけメンバーのソロの仕事が増えても、グループとしての一体感を保てるし、バラエティー番組を通してアイドルファン以外の獲得を狙える。

 次に「時代を代表するドラマ担当のイケメン」がいること。SMAPでいえば当然、“キムタク”こと木村拓哉だ。彼の人気爆発がSMAPというグループの知名度を大きく上げた。そのキムタクと重なるのがSnow Manの目黒蓮だ。

 2022年に放送された彼の主演作「silent」は恋愛ドラマ不振の時代の中で異例の大ヒット。このドラマをきっかけにF2層(女性35〜49歳)が目黒を知り、そしてファンになっていった。2025年上半期のタレントパワーランキングでは目黒蓮が総合で58位。これは木村拓哉と同じ順位で、嵐の櫻井翔(68位)、相葉雅紀(69位)よりも上だ。

アニメオタク、インテリ、舘様…
個性が光るSnowManのメンバーたち

 そして、「メンバーが人気の帯バラエティー番組のレギュラー」という点も重なる。SMAPでいえば「笑っていいとも!」の存在は大きかった。曜日レギュラーに中居正広、香取慎吾、草彅剛の3人が起用されたことで、主婦や年配層の認知も高まり、国民的アイドルへの推進力となった。

 現在「令和のいいとも」とも称される「ラヴィット!」にも隔週レギュラーとして佐久間大介や宮舘涼太が出演している。時間帯から主婦などはもちろん、お笑いファンにも評価の高い番組で、録画やTVerで見る人も少なくない。