大手企業は、商品やサービスの広告にジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)のタレントを起用してきた。ダイヤモンド編集部は、大手企業62社を対象に、今年度にジャニーズタレントが出演している商品やサービスを集計した。特集『ジャニーズ帝国 最強ビジネスの終焉』の#4では、ジャニーズタレントの起用が多い企業のランキングを公開する。2位には日本マクドナルドホールディングス(HD)やアサヒグループHDなど3社が入った。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
不二家はクリスマスケーキが
異例の売れ行き
ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の創設者、故ジャニー喜多川氏による性加害が明るみに出て以降、企業のコンプライアンス意識とジャニーズファンのソーシャルメディアなどでの草の根運動が真正面からぶつかっている。
象徴といえるのが、「#ジャニーズスポンサー応援宣言」というハッシュタグだ。企業がジャニーズタレントを起用した広告やキャンペーンの終了に動く中、ファンはそうした商品を購入し、ハッシュタグを付けてソーシャルメディアに投稿を続けた。
ジャニーズ事務所による性加害の認定後も、人気グループ、Snow Manの起用を続ける不二家は、ファンのパワーを実感することになる。クリスマスケーキの注文数が予想を大きく上回り、10月半ばにして店頭予約を終了する事態に至ったのだ。
企業にとっては極めて悩ましい構図といえる。ファンのパワーが逆に働けば、自社商品の不買運動につながる可能性もある。一方、同社のタレントを起用し続ければ「性加害を容認している」と解釈されかねないリスクがあるのだ。
従って、本特集#1『【独自入手】伊藤ハムのジャニーズ起用1.5億円キャンペーンが白紙に!大手広告代理店の顧客24社・団体の対応リスト公開』で触れたように、他社の動きを静観している企業が多いのはそうした理由があるためとみられる。
では、ジャニーズタレントが出演するCMやキャンペーンはどれぐらいあるのか。ダイヤモンド編集部が実施した調査では、今年度にジャニーズタレントを広告やキャンペーンで起用した上場企業は62社に上った。
次ページでは、企業名と共に、商品・サービス数によるランキングを紹介する。ランキングからはジャニーズ“依存度”の高い企業が浮かび上がる。