ジャニーズ帝国 最強ビジネスの終焉#7Photo:gilaxia/gettyimages

ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の強みは、若いタレントを輩出していく仕組みにある。SMAPや嵐といった国民的アイドルたちもジャニーズJr.の出身なのだ。特集『ジャニーズ帝国 最強ビジネスの終焉』(全16回)の#7では、ベールに包まれてきた育成システムについて、元ジャニーズJr.のメンバーが解説する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月18日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

SMAPや嵐など人気グループを輩出
ジャニーズの育成システムとは

 故ジャニー喜多川氏が最初にプロデュースした初代ジャニーズは、野球チームから見いだされた。米国生まれで二重国籍だった同氏は戦後、米国大使館で通訳助手として働いた。

 その傍ら、住んでいたワシントンハイツ(現在の代々木公園)の広場に少年たちを集め、野球チームを結成する。少年たちは同氏に薦められた映画「ウエスト・サイド・ストーリー」をきっかけに、歌とダンスに魅了され、見よう見まねで練習を始めた。初代ジャニーズはこうして誕生した。

 以来、ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は少年たちに無料レッスンを提供してきた。今回、性加害を告発した男性たちの多くは、ジャニーズJr.時代に被害を受けた。

 一方で、事務所にとってSMAPや嵐といった超人気グループのメンバーを輩出してきたJr.は、金の卵を産むニワトリのような存在でもある。

 では、ジャニーズ事務所の育成システムとは。ダイヤモンド編集部は平成以降に所属していた元Jr.の男性に当時の育成システムの実態を聞いた。次ページでは、ジャニーズの育成システムと、デビューまでの苛烈な「ふるい落とし」の全貌を明らかにする。