「その結論を持って再度来てください」という難題をいただき、帰路に就く前に、お詫びの品(和菓子)を提示しましたが、「勘違いしないでください。そんなもの欲しくて呼んだわけではない。お持ち帰りください」と言う。再度お詫びの気持ちですからと伝えたのですが、「いらない、持ち帰れ」と柔らかい声で拒否されました。
相手の要求や希望が見えない
解決に時間がかかるパターン
その場は、深く礼をして退出しました。ただ、この先の回答が見つかりません。帰路考えながら社に着きました。出来ることは、今後の対応について理路整然と説明をして、納得していただくことですが、ご本人にとっては、それを聞いても何にもなりません。後のお客様に迷惑がかからないだけです。かと言って、金品を要求されている雰囲気でもありませんから、ご提案してもさらに怒りをかう可能性があります。これには悩みました。
こんなときは、良案はなくとも再度訪問して話し込むことが有効です。ここには人の心理が働き、何度もその人物と会うと、現代的に言えば自分の脳のAIが働き、知人認識をして、親しみが生まれることがあります。再度訪問した日は、ご主人不在、奥様だけで、運良くお誕生日の出来事のお詫びが出来ました。ご主人のお帰りは遅いということで、待つことなくその日は帰社しました。奥様との会話で、ご主人はお酒好きという情報を得ることができ、その後の対応に生かすことにしました。
話は逸れますが、舞台になる、天ぷら屋「天将」の紹介をしておきます。
こことのご縁は長く、9年来の客として大将とお付き合いをさせていただきました。現在はお歳を召し引退、店舗はたたんでいます。私は月に2、3度訪問していました。そこのお客様と親しくなりゴルフコンペにも参加させていただいたりしました。