
猛暑、豪雨、豪雪――かつては「異常」とされた気象が、いまや毎年のように日本列島を襲っています。私たちはすでに「異常気象が普通になった時代」に突入しているのです。その背景には、地球温暖化を加速させる二酸化炭素の増加があります。このまま無関心でいれば、私たちの未来は“気候の地獄”に変わってしまうかもしれません。三重大学 大学院 生物資源学研究科 教授の立花義裕先生は、著書『異常気象の未来予測』の中で、日本が「世界一異常気象が発生する国」になってしまった現状を鋭く分析。四季が失われ、夏と冬だけの「二季の国」と化した日本の姿に、私たちはどう向き合うべきかを問いかけます。異常気象のメカニズムから未来予測、そして温暖化対策までを、多角的に解説した本書の一部をご紹介します。
日本は四季の国から「二季」の国へ
いまや日本には四季がなくなり、長い夏と冬だけの「二季」となってきています。日本に住む多くの人が、二季化という気候の変化を感じていることでしょう。
日本は四季の変化が鮮明で、その移ろいを愛めでる文化が1000年以上も根付いていますが、今では四季を自慢できなくなってきています。激しい異常気象が満載の「二季」の国が現在の日本なのです。
異常気象の発生がニューノーマル化し、気候が暴れ始めた今の時代の「四季」の移ろいを概観してみましょう。
近年は「観測史上最も暑い」春や夏がほぼ毎年繰り返されています。