日米は“最強寒波”襲来も1月の世界平均気温は「過去最高」、温暖化止まらず異常気象頻発化大雪が降った北海道帯広市の市街地=2月4日 Photo:JIJI

「世界は観測史上最も暖かい1月」
世界の平均地表気温は摂氏13.23度

 WMO(世界気象機関)は2月14日、欧州連合(EU)傘下のコペルニクス気候変動サービス(C3S)と米海洋大気局(NOAA)の国際データに基づくと、「世界は観測史上最も暖かい1月を迎えた」と発表した。

 C3Sによると、1月の世界の平均地表気温は摂氏13.23度(13.23℃)で、1991年から2020年の平均より0.79度高く、産業革命以前の基準期間と指定されている1850年から1900年の平均より1.75度高かった。

 過去19カ月のうち、世界平均地表気温が産業革命以前の水準より1.5度以上高い状況となったのは、18カ月目だ。

 WMOは、この記録的な高温は、通常は海面水温が平年より下がり一時的な寒冷化効果をもたらすラニーニャ現象が起きているにもかかわらず発生したことを強調している。これまでの1月の世界平均気温の最高は、海面水温が上昇し温暖化をもたらすエルニーニョ現象が発生した24年1月だが、今年1月はエルニーニョ現象も起きていない状況での最高気温更新だ。

 だがその一方で、日本や米国では 過去最大級の寒波と大雪に見舞われている。北極圏の寒気(極渦)が水蒸気を多く含んだ空気とともに蛇行する偏西風に乗って、通常より南下伸長したことが原因と考えられている。

 最高気温更新と大寒波、大雪は、相反するような現象だが、地球温暖化が背景にあるという点では、同じ根を持つ気象現象といえなくもない。