例えば、2024年の日本は平均気温が史上最高気温の記録をあっさり破り、春、夏、秋と三季で、「統計開始以降の最高記録」を更新し続けました。11月ですら各地で夏日が多くあらわれたのは、記憶に新しいところでしょう。
桜が散ったと思ったらすぐに暑くなり、梅雨入り前から30度を超える地域が多発。ようやく梅雨が明ける頃には同時に猛暑が襲ってきます。40度超えも大ニュースとはならなくなり、夜になっても暑いまま。涼しい夜に花火を楽しむような時代ではなくなりました。花火大会の最中に熱中症で搬送されるニュースも珍しくありません。
9月になっても10月になっても暑い日は続きます。残暑を感じながら、すぎゆく夏を惜しむ人は皆無です。
10月には恒例行事の小・中学校などの運動会があります。その練習時期は「真夏」の9月。近年は春に運動会を開催する学校も増えていますが、練習中の子供たちの熱中症が懸念されます。
夏の屋外での仕事も危険が伴います。日本では熱中症で毎年1000人規模の人が命を失っています。この数は風水害による死亡者の約10倍。夏の気温が高い年ほど熱中症死亡者の数は増えているのです。そして隠れ熱中症の死亡者は、その数倍にも及びます。基礎疾患を持つ人や高齢者ほど、命の危機にさらされているのです。
これはコロナが誘因の死亡者と類似しています。そのため、猛暑は「災害」と言い切っていいでしょう。
もはや「殺人的猛暑」と言っても過言ではないのです。
人智を超えた新たな豪雨災害
異常気象ということで言えば、雨も日本で暴れています。降れば豪雨、晴れれば猛暑のどちらかで、気象が二極化しているのです。
雨量だけでなく降る場所にも異常が見られます。かつては九州が豪雨の「本場」でした。しかし、雨の少なかった東北地方でも未曽有の豪雨が頻発しています。
さらに関東地方の人々の頭を悩ましているのが、ゲリラ雷雨です。2024年、関東の雷の発生数は観測史上最多を更新しました。