豪雨は確実に次のステージに

もはや「殺人的猛暑」…他人事ではない、世界一異常気象が発生する国とは?立花義裕(たちばな・よしひろ)/1961年北海道生まれ。三重大学大学院生物資源学研究科、地球環境学講座・気象・気候ダイナミクス研究室教授。札幌南高等学校卒業。北海道大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。小学生のときに、雪の少ない地域や豪雪地域への引っ越しを経験し、気象に興味を持つ。「羽鳥慎一モーニングショー」を始め、ニュース番組にも多数出演し、異常気象や気候危機の情報を精力的に発信。北海道大学低温科学研究所、東海大学、ワシントン大学、海洋研究開発機構等を経て、現職。 専門は気象学、異常気象、気候力学。2023年三重大学賞(研究分野)、2024年東海テレビ文化賞。日本気象学会理事、日本雪氷学会理事。

 このときは北海道でも観測史上最大の豪雨がありました。関東と東北地方を除く日本のほぼ全域で観測史上最大を記録した、未曽有の豪雨だったのです。

 2018年の西日本豪雨では、線状降水帯は一部の地域でしか発生していませんでした。昔の豪雨は狭い範囲に大量の雨が短時間にドカッと降る短期集中型で、これを集中豪雨と呼びます。

 ところが近年の豪雨は、短期集中型に加えて、広い範囲でより長期間降ることが増えているのです。

 昔は狭い範囲で短時間にドカッと降ったので、被害も地域限定型でした。近年は長く降り続いて、且つ日本の広い範囲で降る雨が増えています。当然、被害地域も広範囲に及んでいます。

 2017年に新語・流行語大賞にもノミネートされた線状降水帯ですが、豪雨は確実に次のステージに来ているのです。