しかし2013年にヤクルトのバレンティンが60本を打ちこれを更新。2022年には同じくヤクルトの村上宗隆が56本塁打を打っている。
しかし本塁打は「投打のバランス」と「球場の大きさ」によって大きく左右される。TBAで補正したシーズン本塁打数15傑はこうなる(図4)。
読者は驚かれると思うが、2011年の西武、中村剛也が74.10で断トツのトップになる。


この年、NPBは加藤良三コミッショナーの肝いりで「統一球」を導入した。しかしこの「統一球」は、反発係数が極端に低く、本塁打数が激減した。2010年のパ・リーグの本塁打数は742本だったが2011年には454本と激減。本塁打率も0.0253から0.0160まで落ちた。
そんな中で中村剛也はキャリアタイの48本塁打を打った。これはリーグ本塁打の10.6%にあたる。この年のロッテのチーム本塁打は46本、中村はこれを2本上回っていた。
この年のパ・リーグのMVPは優勝したソフトバンクの内川聖一で757ポイント、中村は楽天、田中将大の414ポイントに次ぎ、3位でわずか249ポイントしか入らなかった。この歴史的な大記録が評価されなかったことに、筆者は切歯扼腕したものだ。