この変革を「フライボール革命」というが、初速スピードMAXのランキングは、「フライボール革命」の申し子たちのランキングということもできる。
OPS1位のトラウトよりも
三振王スタントンが最強打者
2015年以降のBBE(編集部注/バットに当たってインプレーになった打球)100以上(100本以上の打球を計測可能なエリアに飛ばした)の打者のランキングを見ていく。
ベスト5と日本人選手の記録、その順位、そしてそのシーズンの本塁打、打率、OPS(編集部注/出塁率と長打率を足し合わせた値)である。両リーグの1位記録は太字にしてグレー地で色を付けた。
注:チーム名はMIA=マーリンズ、SEA=マリナーズ、LAA=エンゼルス、COL=ロッキーズ、BOS=レッドソックス、SF=ジャイアンツ、ATL=ブレーブス、BAL=オリオールズ、TEX=レンジャーズ、NYY=ヤンキース、WSH=ナショナルズ、KC=ロイヤルズ、CWS=ホワイトソックス、TOR=ブルージェイズ、NYM=メッツ、CIN=レッズ、CHC=カブス、ARI=ダイヤモンドバックス、TB=レイズ、PIT=パイレーツ、LAD=ドジャース、MIL=ブルワーズ、HOU=アストロズ、SD=パドレス
2015年からこのデータの公開が始まったが、当時から今に至るまで、常にこの数値のトップクラスにはジャンカルロ・スタントンが君臨している。当時マーリンズ、のちヤンキース、まさにポテンシャルだけなら「最強の打者」だと言える。
マイク・トラウトはOPS1位、この選手も5位には入らなくとも、大体10位以内に着けている。この年42歳のマーリンズ、イチローは392人中327位。もともとスイングスピードで勝負する選手ではなかったが、この数値は極めて低い。33歳の青木も同タイプ。本塁打数は当然ながら少ない。
大谷翔平はメジャー1年目から
“日本人離れ”の数値を記録
スタントンは2018年にヤンキースに移籍したが、相変わらず最強だ。2017年はスタントン、ジャッジと言う「フライボール革命のトップランナー」が両リーグの本塁打王を分け合ったと言う点で、歴史的な年だと言える。イチローはこの年を最後にBBEが100を切ってランキングから消え、2019年に引退する。