2022年には大谷は引き続き進化し、3位にまで浮上。この年に大谷と同い年の鈴木誠也がMLBに挑戦するが、打球速度は「中の上」という感じだった。

村上宗隆も岡本和真も
MLBではせいぜい「中の上」
2023年大谷は引き続き、打球速度は5位をキープ。初の本塁打王、OPS1位に輝き2回目のMVPを受賞。しかし2回目の右ひじ靱帯再建手術(トミー・ジョン手術+インターナルブレース装着手術)を受ける。
鈴木誠也が前年の152位から35位と躍進している。成績もそれに伴い、主力打者の数字になった。オリックスから移籍した吉田の1年目は打球速度も成績も「中の上」クラス。しかし守備の評価が極めて低く、DH専任のため厳しい立場だ。
2024年、ドジャースに移籍した大谷は、打者1本で勝負し、史上初の50-50(50本塁打50盗塁)を達成したが、打球速度もトップクラスを維持した。鈴木はまた順位を上げ、トップクラスに近付いている。しかし吉田は伸び悩んでいる。
トップのオニール・クルーズは2022年にも1位だったが、強烈な打球速度を成績に結びつけることができないでいる。そういう選手もいると言うことだ。

スタットキャストが公表されて以降「打球速度」が打者の絶対的な指標になったので、かつてのホセ・アルトゥーべや、大谷の同僚のムーキー・ベッツのように、打球速度もそこそこ上位だが、出塁率の高さや守備力でも貢献するような「バランスの良い選手」の影がやや薄くなった感がある。
しかしMLBでは「打球速度が速くなければ、話にならない」のは厳然たる事実だ。2023年の第5回WBCでは、バンテリンドームや京セラドームでの打撃練習で、大谷翔平がけた外れの大飛球を連発して周囲を驚かせた。