1990年代にあった構想が
ブロックチェーンでいま花開く
Web3における分散化と密接な関係にあるのが(4)の「スマートコントラクト」と呼ばれる仕組みです。
物品の売買や、労働を含むサービスの取引、保険や融資といった様々な経済行為は通常、契約を通して実行されます。また、その過程では契約書への署名捺印や登記、決済、支払いといった手続きを伴うのが一般的です。
こうした手続きをブロックチェーン上であらかじめプログラムしておき、一定の条件により自動的に執行する仕組みがスマートコントラクトです。
これを導入すると、いちいち人手を介する必要がなく手続きがスピーディーに行え、省人化、コスト削減、業務効率化が大幅に進む可能性があります。しかも、手順や実行の条件はブロックチェーン上に記録されているので、透明性や非改ざん性が担保されます。
スマートコントラクトの概念は1990年代には提唱されていましたが、具体的な仕組みとして可能になったのは2014年にイーサリアムのブロックチェーンが稼働してからです。
ビットコインのブロックチェーンでは基本的に、BTC(ビットコイン)の取引データを記録することしかできません。
それゆえにシステムの堅牢性が高いのですが、イーサリアムのブロックチェーンでは暗号資産としてのETH(イーサ)の取引に加え、多種多様な情報を一緒に記録することができます。この機能がスマートコントラクトであり、ETH(イーサ)の取引と同時に様々なプログラムやアプリケーションを実行できるのです。
スマートコントラクトで
経理や会議は過去のものに
この仕組みを使って何ができるのか、いま様々な試みが進められています。それがまさにWeb3の世界です。
例えば、月末締め・翌月末払いといった支払い処理が、毎日、自動執行(支払い)できるようになるかもしれません。実際に導入するためにはその都度、業務執行の状況確認が必要ですが、そこさえ工夫できれば経理部を通す手間が省略できる可能性があります。