こうしておくことで、1回も会ったことがない外国の相手に対しても、NFTを預けることが可能になるのです。
その結果、ちょうど新型コロナで仕事がなくなったフィリピンなど途上国の人たちが、Axie Infinityのゲームを通じて毎月数万円の利益を上げることが可能になりました。
ひと握りの人だけが
利益を独占する時代は終わり
さらに、スカラーを多数擁するゲーミングギルドという会社が次々に設立され、Axie Infinityのプレイヤーが増え、SLPの取引が急増したというわけです。
このケースでは、結果的にゲームを介して貧困層の生産活動を促すことに成功しました。Web3のサービスが高い収益性を生み出すだけでなく、従来にはなかった形で社会課題を解決できる可能性を示したといえるでしょう。
また、従来のオンラインゲームは基本的に、ゲームを開発して運営する会社が収益を得ます。それに対してAxie Infinityは、ゲームのプレイヤーや彼らにNFTを貸し出す投資家にも収益が配分されます。収益の分散化が多くの参加者を集め、大きな経済圏(エコ・システム)を生み出したのです。

なお、既存のオンラインゲームには一定の課題(ミッション)をクリアすることでポイントが得られ、それを現金と交換できる仕組みを持つものがあります。これも一種のPlay to Earnといえ、似ているのは確かです。
ただ、ポイントは交換レートが一定なのに対し、Axie Infinityのトークン(SLP)は市場で値上がりする可能性があります。ブロックチェーン(スマートコントラクト)を使うことでスカラー制度といった新しい仕組みもつくれます。そうした工夫の余地こそGameFiの大きな魅力だと思います。
