あるいは、いままでなら何度も会議を開き、様々な検討を経て実行されていた投資が、あらかじめ設定されたいくつかの条件がクリアされたことをオンラインで自動的に確認する仕組みによって、より効率的に行えるようになるかもしれません。

 これらは、これまで当たり前と思われていたやり方に対する発想の転換です。習慣や常識になっていることを変えるのは抵抗があるものですが、実際にやってみたら案外うまくいったりするものです。スマートコントラクトはそのきっかけを与えてくれる点に大きな魅力があるのです。

 まだまだアイデアレベルのケースも多く、実現には様々な課題が立ち塞がっているのが現状ですが、近年のイノベーションの速度を思うと期待が膨らみます。

ゲームをするだけで収入を
得られる時代がやってきた

 近年、ゲームがお金を稼ぐ手段として広がっています。

 よく知られているのは、有名なゲームの大会でプロゲーマーとして賞金を稼ぐ「eスポーツ」。それからYouTubeなどでゲームの実況動画を配信して広告費やスーパーチャット(いわゆる「投げ銭」)を収益にする「ゲーム配信」ではないでしょうか。

 私もマリオカートで子どもと遊んだりすることがありますが、あくまでもゲームは遊びでしかなかったので、いまのようにプレイヤーも巻き込んでビジネスの領域が広がっているのを見ると、隔世の感があります。ちなみに私はマリオカートが子どもよりもはるかに下手なので、とてもゲームの競技や配信では稼げないでしょう。

 現状では、eスポーツ選手や配信者のように、競技スキルや配信時のトーク力がなければゲームで稼ぐことはできません。

 しかしWeb3の世界では、ゲームをプレイすること自体を価値に変えられる、新しい仕組みのゲームが登場しています。それがGameFi(ゲーミファイ)です。これはオンラインゲームにDeFi(編集部注/ブロックチェーンをベースに、銀行やクレジットカード会社などを介さず、ユーザー同士が直接取引する金融サービス)の要素を掛け合わせたブロックチェーンゲームです。