また、ダンバー教授によれば、この人間のネットワークは、最も親しい3~5人を皮切りに、15人→50人→150人と3の倍数で段階が広がり、数が増えるにつれ親密度は薄くなっていきます。
みなさんも、自分のネットワークを、この理論にあてはめてみると面白いと思います。
たとえば、最も親しい3~5人は、毎日会っている家族のように、かけがえのない人です。
次に親しい15人くらいは、友人や、職場などでいつも顔を合わせている相手。お互いを普段から気にかけていて、頻繁にメールのやりとりをする相手がこれくらいの人数だと思います。
そして取引先などビジネス上で広く浅くつきあう相手が、50~150人にあてはまるのではないでしょうか。
相手に「重要な人物」と
思われる方法とは
私はかねがね「人脈」というものに対して、少し誤解をしている方が多いように感じていました。
人脈とは名刺交換をしただけで得られるものではありません。人脈も友人関係と同様、コミュニケーションを密に取っていくなかで醸成させていくものなのです。
このときに忘れてはいけないのは、「人脈には鮮度がある」ということです。
たとえば、どんなに印象深くインパクトがあった人でも、会う頻度が少なかったり、次に会うまでの期間が長かったりすれば、その人は大事な人脈にはなっていきません。
人には「繰り返し接すると好意度や印象度が高まる」という性質があり、それは「単純接触効果」と心理学では呼ばれています。
この「単純接触効果」では、会ったときの「長さ」よりも、会う「頻度」のほうが重要とされています。
これはマーケティングの世界でも使われているテクニックです。たとえば、テレビのコマーシャルや街で流れるヒット曲もこれと同じで、何度も見たり聞いたりしているうちに「この商品、いいな」「この曲、いいな」と思えてくるのは、この効果が働いているから。ですから、人脈の鮮度を保つには「頻繁に会う」のが最もシンプルかつ有効な方法なのです。