つまり、本当の人脈をつくるには、ダンバー教授の説を逆に利用して、「150人→50人→15人」と、相手のダンバー数のなかでの自分の位置を上げていくのです。
まずは名刺交換をして、相手の「150人」のなかに入る。そして相手と会う頻度を高めて、次のレベルの「50人」に入るまで、お互いのことを知っていく。さらにプライベートでも会うほど親しくなって、15人に入る…。
そうすることで、ようやく相手にとっての重要人物になれるのです。
人を利用する人よりも
利用される人になる
相手のダンバー数に入り、自分の重要度を上げていくためには、やはり頻繁に会って鮮度を新鮮に保っていくのがカギになるでしょう。
そして、ここが重要なのですが、いい人脈をつくりたいのであれば、「相手にたくさん利用されよう」と思うことです。
40代ともなれば、さまざまな知識やスキルを持っています。それをまわりから利用されてなんぼ、なのです。利用価値のある人間にならなければならないと考えましょう。
人脈を「利用できる人材探し」だと思っている人がいますが、私はそうは思いません。「利用してくれる人材探し」だと思います。

『大往生』(岩波新書)をはじめとした多くのベストセラー本を執筆している永六輔氏も、こうおっしゃっています。
「いいかい、仕事は金脈じゃない、人脈だぞ。人脈のなかから金脈を探せよ。金脈のなかから人脈を探すなよ」
人脈を勘違いしている人は、まず金脈を探してしまいます。あるいは人の向こうに金脈を見越してから、接してしまうのです。
金脈というのは、人脈を醸成させたあとでなければ見つかりません。
そして人脈を醸成させるためには、まず自分が相手にとって有用な人材にならなければならないのです。
とくに40代は、そういう人材にならなければいけないと思います。