
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。
損害保険大手「東京海上ホールディングス」の子会社である東京海上ウェルデザインが動物病院向けに「医薬品等共同購買サービス」の提供を始めると発表した。
東京海上とウェルデザインの発表では、昨今、「動物病院の人材不足と医薬品調達コストの増加に伴い(動物の)医療費の高騰などさまざまな課題が顕在化していることから、飼い主とペットが安心して健やかに生活できる社会の実現をめざし、動物病院の業務効率化支援と医薬品の調達コストを削減する共同購買サービスを提供」すると高らかに謳っている。
具体的には新サービスは、ウェルデザインが複数の動物病院と加盟店契約を締結し、医薬品卸会社と価格交渉を行なう、というもので、動物病院は個々に行なっている卸会社との価格交渉業務を削減できるとともに、スケールメリットを活かして安価に医薬品調達ができる、という内容だ。
なにしろ、薬価という公定価格があるヒト向けの医薬品でも、中間年改定を含めて毎年、薬価が改定されているにもかかわらず、医薬品共同購入が盛んに行われている。厚生労働省の検討会では価格代行業者との取引は全体の11%を占めているとも報告されている。ヒト向けの医薬品で共同購入業者が活躍しているなら、自由価格の動物医薬品の世界でも、同じような共同購入があってもおかしくない、ということらしい。