一流たちが出会いと縁を
大切にしている本当の理由

 そしてインタビュー終了後「あなた起業しているの?えらいわね。わたし頑張っている人を応援するのが大好きなの。だからどんなことでも相談しなさい。できることは何でもしてあげるから。お金を出すこと以外ならね(笑)」。そう言って初対面で携帯番号まで教えてくださったジュンコさん。ずっとお目にかかりたかったイラストレーターの宇野亞喜良さんをご紹介くださったばかりか、その後も今日にいたるまで、さまざまなご縁をいただき続けています。

 長きにわたり一線に立ち続ける方は、相手が誰であれ、ひとつひとつの出会いを本当に大切にされています。

 すべての出会いを一度きりだと思い、心を尽くすこと。逆説的ですが、それがお相手とのご縁を一度きりで終わらせないことになるのではないでしょうか。そしてその姿勢を貫き続けていくことが、思ってもいなかった次の出会いを呼び、結果的に人生を拓くことにつながると僕は信じています。「千里の道も一歩から」という言葉があるように、すべてはお1人に会うことから始まります。

 この原稿を書いている今、久々に自分のポッドキャスト番組のバックナンバーを聴いています。初回は本当にひどいレベルです。用意してきた質問メモを上からただ順番に聞いていくだけ。しかも極度な緊張もあって異常に早口です。

 極めつきはゲストの丁寧な返答に対して「そうなんですね」と淡泊なあいづち。お相手から逆に質問されると、動揺して浅はかな受け答えしかできていません。まるで対話とはいえないこのインタビューに、お相手とリスナーの方に対して、今では申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいです。

 そんな僕でも、番組が30回を過ぎたあたりから質問メモは参考程度で、目の前にいる方に集中できるようになってきます。50回を超える頃には、お相手の発言に対して自分が感じたことやさらに深掘りしたいことも、臆せず伝えられるようになっているのが聴いていてよく分かります。