隣にいて嵩を評価してくれる
のぶがいる幸せ
嵩は自分で呼び出しておきながら、登美子に「帰ってくれ」と言ってしまう。
登美子が帰ったあと、長屋の外(今日はトイレではない)で空を眺めながら、嵩はのぶに思いを語る。
嵩は手嶌を月になぞらえ、追いつけないことを悔しがる。のぶも悩みがあるが、それを言わず、
「でもうちにはわかる。ちっぽけな嵩がいつか天才もびっくりするような作品を作るって」と空を見上げながら言う。
「根拠がなさすぎるよ」と苦笑しながら嵩はまんざらでもなさそうだ。
いせたくや役の大森元貴がインタビューでこう言っていた。
「やっぱり自分を見つめることって正気の沙汰ではないので、友人でもパートナーでも家族でも、自分を見てくれている人が近くにいると救われるだろうなと。
嵩は漫画家としては世間になかなか評価されませんが、身近に支えてくれる人がいて、評価されている。それが幸せってことなのではないかと思うんです。一番近い人(のぶ)が評価してくれているじゃないかって教えてあげたくなりますよ」
まさにそのとおりで。のぶが隣にいて評価してくれるから嵩は十万馬力の鉄腕アトムよりも心強いはずだ。早く嵩も月まで飛んでゆけ。
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