ただし、この広告受容の姿勢にはリスクも潜んでいます。
偏った消費行動を誘発する可能性や、「自分で選んでいる」という感覚が実は広告主の戦略に影響されているという側面もあるからです。デジタルネイティブたちは、広告が提供する情報を積極的に活用している反面、消費主義の影響力をどうコントロールするかという課題も抱えているのです。
広告を単なる「情報」や「エンターテインメント」として漫然と受け入れるだけでなく、その背景にある意図や仕組みを理解し見極めることが、デジタル時代を賢く生き抜くための鍵といえるでしょう。
SNSを手放してやっと
気づいた時間の重み
僕の友人の中に、非常に興味深い選択をした人物がいます。
彼は以前、Facebook、Instagram、Twitter(現X)など複数のSNSを活発に利用していましたが、現在では「LinkedIn」(編集部注/世界最大のビジネス特化型SNS)だけを残し、他のアカウントをすべて削除しました。
「LinkedInはビジネスネットワークを築くためのツールであり、無駄な情報に惑わされることが少ない」と彼は語ります。
彼がSNSアカウントを整理したのは、日々の通知や情報量の多さによる疲れが理由でした。
「情報を追いかけているつもりが、逆に情報に追いかけられているようだった」と振り返ります。LinkedInだけを残すことで、目的に応じた使い方ができ、時間を有効に活用できるようになったのです。
彼の選択は、デジタル社会におけるわたしたち自身のスタンスを見直すヒントになります。多くの人が無意識にSNSを利用し、気づけば時間を浪費している現代において、「自分にとって本当に必要なデジタルツールとは何か」を考えることが重要です。
テクノロジーを知り尽くした
ウォズニアックが距離を取った理由
テクノロジーの発展を理解しながらも、あえて一歩引いて活用する姿勢をとる人々がいます。