インテリアはダッシュボードを改良した。100%リサイクル素材を使用したテキスタイルパネルと、従来の9インチから11.2インチへと大型化されたセンターディスプレイが目を引く。各種操作性とインフォテインメント機能にもアップデートが施され、アプリと定期的な無線ソフトウェアアップデート(OTA)で、つねに最新の状態に進化するのもうれしい。

 試乗車は、トップグレードの“ウルトラT8 AWD PHEV”。2L直4ターボ(317ps/400Nm)、前後2モーター(リア145ps/309Nm)、リチウムイオンバッテリー(総電力量18.8kWh)を組み合わせ、満充電時73kmのEV走行と、WLTCモード13.3km/Lの燃費を実現した電動車だ。EV走行距離が100km以上のPHEVが増えている現在、73kmというスペックは突出した数値ではない。

 だが、これだけ走れば日常ユースをほぼEVとして使える。しかも最長900km以上の航続距離と両立をしたのは、オールラウンダーとして魅力的である。

ハンサムなスタイルと広い室内が際立つ
走りはジェントルとスポーティの2面性が魅力

 久しぶりに対面したXC90はハンサムだった。XC90のワールドデビューは2014年だからすでに10年選手なのだが、少しも古臭さを感じさせない。4955×1960×1775mmと大柄ながら、無用の威圧感を感じさせない点はボルボらしい。

 室内は広々として気持ちいい。3列それぞれ大型サイズの快適なシートが用意され、2列目の中央席には、標準で“ジュニアシート”を装着している。ちなみにXC90は、ボルボで最も高価格帯となるクルマにもかかわらず、「オーナー年齢層が最も若い」と聞いた。その理由は、ボルボならではの入念な安全設計と、この広い室内空間のようだ。家族が増えたヤングエグゼクティブが、最も安心して乗れるクルマとしてXC90を選んでいるという。