また、安倍内閣がいわゆるアベノミクスで財政支出を拡大し、景気を急速に回復させたが、2019年の消費税率引き上げによって経済は落ち込み、税収も低迷した。
ただ、その一方で、日本の一般会計は拡大の一途を辿っており、緊縮財政とはとても言えないのも事実である。
政府の一般会計の規模の推移を見ると、日本の人口がピークを迎えた2008年度は約84兆円だった。それから17年後の2025年度には115兆円になっている。
予算バラマキによって
権力基盤と影響力を最大化
この17年の間、人口は減少を続け、物価も上昇を始めたのは最近の数年であり、それまではデフレが続いていた。
それなのに、東日本大震災やコロナ禍などの突発事象があった年度を除外して考えても、一般会計の規模は17年間でほぼ4割も増加しているのである。
かつ、年中行事のように毎年編成される補正予算の規模も爆増している。アベノミクスの第2の矢として積極財政を唱えた安倍内閣でも、コロナ禍前の補正予算の規模は平均3兆円程度だった。
これがコロナ禍で大きく拡大され、コロナ禍が終わり平時に戻った後も縮小されず、10兆円規模が当たり前となり、昨年12月に編成された補正予算も13.9兆円と凄まじい額であった。
これらの事実からも明らかなように、財務省は財政の均衡を目指してはいるものの、決して「緊縮財政」をやってきたわけではない。それでは、なぜ財務省は緊縮財政をやってこなかったのか。2つの要因が挙げられる。
1つは、財務省といえども、しょせんは官僚集団であり、政治、つまり総理や与党の有力な政治家の意向には最終的には逆らえない。従わざるを得ないのである。もう1つは、政治家以外にも、業界団体など民間や地方の要請に応える形で財政出動を認めてきた。
つまり、財務省は予算バラマキによって政治家を筆頭に多くの関係者に恩を売り、彼らとの貸し借り関係を最大化することによって、自身の権力基盤と影響力を最大化しているのである。