還暦はゴールではなく
新たな人生の「はじまり」
私はこの「定年」「還暦」=終わりというイメージこそ、「定年」「還暦」=はじまりに書き換えていただきたいと思います。
特に「還暦」という言葉はもともと、十干十二支が60年で一巡して、生まれたときと同じ干支に還る節目を表すおめでたい言葉ですから、生まれ変わったつもりで、気持ちを新たにスタートを切るには、それこそ絶好のタイミングなのです。
また、還暦ともなると、自分の親が亡くなった年齢を引き合いに出して、「俺もあと○年だな」とか「私もそろそろ覚悟しないと」などとゴールを定める方もいらっしゃいます。
ゴールを心づもりして逆算して行動するのは、一見理にかなっているように見えますが、私はおすすめできません。ゴールを決めてそこを目指すより、今ここにあるスタート地点をよく見てください。ここからはじまる!今からはじまる!!そう考えるだけでわくわくしませんか?
過去の栄光を捨てると
前向きになれる
我々がとらわれがちなのが、過去の栄光です。60歳を過ぎると、後ろをふり返ることが増えてきます。でもあまりそこに時間を費やしていると、前に進めなくなってしまいます。ただでさえ、60歳を過ぎると1歩前進、2歩後退の状態になります。どちらかというと右肩下がりになってきて、発展も進展もない状態になります。
60歳までにいた環境で感じていたストレスが、病気になって現れることもありますし、気を付けていても、認知症になる可能性も否定できません。そういったことが自分の身に起きたとしても、受け容れるしかありません。
暗いことばかり並べてしまいましたが、一番お伝えしたいことは、60歳を過ぎると、何があってもおかしくない、でも人生はそこから先もまだまだ続いていく、ということです。
この先をどうしたら前向きに生きていけるのか。その答えは、私は「片づけ」だと考えています。心に箱を持つことです。過去のことは切り離して、「今、ここ」からスタートする新しい箱を、心の中につくりあげていくイメージです。