
年齢を重ねるにつれ「もう歳だから無理」と諦めていることはないだろうか。人生100年時代、そんな考えではもったいない。すべての人に100歳まで生きる心づもりが必要だと説く医師が、高齢者こそ持つべきマインドセットを解説する。※本稿は、小林弘幸『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
80歳で「あきらめ」
なんてまだ早い!
先日、80歳になったばかりの方とお食事する機会がありました。その方から出る言葉が、「もうあきらめてるから」「もう何があってもおかしくないので」というものばかりでした。決してどこか悪いわけではないのですが、常に人生のゴールを意識されているようで、少し残念になりました。
また、70代の方からは、「犬を飼うかどうか迷っているんですよね」という相談を受けました。理由を尋ねると、「犬が私より長生きしたらかわいそうなので」という返事でした。
おそらく、ほとんどの方は「老い」と「あきらめ」が連動してしまっているのでしょう。皆さん、そうやって自分で限界をつくってしまっているのです。
そこで私が言ったのが、「人生100年時代、まだ20年もありますよ!」ということです。2023年の厚生労働省による日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.14歳で、男女ともに80歳を超えています。内閣府の発表では、2065年には、男性84.95歳、女性は91.35歳になるとされています。
100歳まで生きる
心づもりが必要な時代
実際自分がいくつまで生きるのか、それはまったく分からないことですが、年々延びていく平均寿命を考えると、すべての人が100歳まで生きる心づもりは必要だろうと思います。
ですから、「いくつになっても、今やりたいことをどんどんはじめたほうがいいですよ」ということです。そういう気持ちを持つことが重要で、その気持ちが5年、10年の健康寿命の差につながると思います。