もやもやが残るときは、さっと席を立って手を洗ってみましょう。仕上げにお気に入りの香りのハンドクリームでも塗れば、きっと心も軽くなります。
ムシャクシャした気持ちは
紙にぶつけてストレス発散
「ベッドに入ってからも、今日の反省や後悔、チクっと心に刺さったひと言などが延々と脳内ループしてちっとも眠りにつけない」なんてことはありませんか?
あれこれ思い出しているうちに思考がとりとめなく広がって、ややもすると夢の中でまで反省会、なんてことも起こりがち。
頭のなかだけで考えていると、どうも同じところをぐるぐる回ったり、悪い方向ばかりに意識が向かいやすいものです。
そんなときに役立つのが、手を動かすことです。
自分が考えていることを、そのまま紙に書き出してみる。
たったこれだけで、考えが整理され、「どうしたらいいか」が見えてくることも少なくありません。
この手法は、心理学で「メンタル・ライティング」と呼ばれ、その効果が実証されています。
イタリアのカトリック・サクロ・クオーレ大学のパオラ・ディ・ブラシオは、妊娠後期から産後まもない女性113名を対象にして、メンタル・ライティングの効果を調べました。
妊娠・出産期はホルモンバランスが大きく変化するため、気持ちの落ち込みや不安を感じやすい時期。出産後に産後うつを発症する人は、10~20%とも言われます。
ブラシオの研究では、出産直後と3カ月後にうつやストレスの状態を調べたところ、メンタル・ライティングの指導をしなかったグループでは16.0%がうつやストレスに悩まされていました。
これに対し、メンタル・ライティングを実施したグループ8.8%にとどまりました。
また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の指標でも、6つ以上の項目に当てはまった割合は、何もしないグループでは30.0%、実施したグループでは10.5%と大きな差が出たのです。
感情を紙に書き出すという小さな習慣が、心に大きな効果をもたらしてくれることが、研究でも証明されたのです。