悩みを紙に書き出すと
気分が晴れる以外の効果も

 どうにもムシャクシャした気持ちがおさまらない。自分のいやなところばかり目について、どんより落ち込んでしまう……。

 そんなふうにネガティブな感情に飲み込まれそうになったら、すかさず紙とペンを手にとりましょう。

 誰かに見せるわけではないので、上手にわかりやすく書こうとしなくてOK。頭のなかにある思いを、そのままどんどん書き出せばいいのです。

 さらにおすすめは、その紙をビリビリにこまかく破いて、クシャクシャっと丸め、ゴミ箱に捨ててしまうこと。

 いやな気持ちやもやもやが、目の前で木っ端みじんに砕けていく。そのビジュアルは、視覚的にもとてもスッキリ感があります。不要なものを脳内から「デリート」したような気持ちよさが味わえるでしょう。

 また、書いているうちに、「明日の会議でさらっとフォローできるかも!」「こんな言い方なら伝わるかもしれない」など、ちょっとしたアイデアや行動のヒントが浮かぶこともあるかもしれません。

 書き出すことで、自分の気持ちを客観視できたり、別の視点が生まれたりする。これもメンタル・ライティングの大きな効果です。

ぎゅっとこぶしを握るだけで
やる気がわいて意志力が高まる

「よし、やるぞ」「頑張るぞ!」と気合を入れるとき、自然と握りこぶしをつくっていることはありませんか?試しに、ぎゅっとこぶしを握ってみましょう。なんだか目力も増して、少し自信がわいてくる感じがしませんか?

 実はこの感覚、科学的にも正しいことが実験によって証明されています。マーケティング学の研究者であるアイリス・フンが、シンガポール国立大学で行った研究です。

 フンは、54名の実験参加者を2つのグループに分け、一方のグループにはペ

 ンをしっかり握ってもらい、もうひとつのグループにはペンを人さし指と中指ではさんでもらいました。