年間パスポートがある場合はこれを利用すれば割安だが、地元に住んでいるメリットももう少し欲しいというところだろう。

ホテルの乱立で住宅価格が高騰
寺院近隣にも建設で住民が抗議するも…

 さらに住宅事情の難を挙げる人もいる。

「住宅価格が高騰して家族連れは今、本当に市内に住めなくなっている。観光客向けのホテルがバンバン建てられるのを横目で見るばかり。インバウンド、インバウンドというが、こんなにホテルを建てて10年後に観光客がぱったりいなくなったらどうするのだろう」(40代女性)

 観光客数は以前として国内客の方が多いものの、京都市内の宿泊客で見ると、外国人客が国内客を上回っている。これはホテル料金の高騰により国内客が京都での宿泊を敬遠しているためと見られ、このことからもホテル需要の高さがわかる。

 円安を理由に日本が旅行先に選ばれることはしばらく続きそうだが、しかしコロナ禍のような事態が今後いつまた起こるかも知れず、先のことはわからない。地元民からすると「(自分たちには用がない)ホテルばかり建っちゃって」と愚痴の一つも言いたくなるところなのかも知れない。

 仁和寺(右京区)や祖国寺(上京区)については、近隣での大型ホテルの建設に京都市が特別許可を出し、住民が抗議。特別許可の取り消しを求めて提訴したが、仁和寺については今年5月、京都地裁が住民の請求を棄却している。地域は都市計画法で第一種住宅地域とされ、本来建設できる建物の面積が3000平方メートルに限られているが、仁和寺近く建設中のホテルは延べ床面積5897平方メートルだ。

「あのあたりは路面電車が走っている以外は飲食店やコンビニもまばらな住宅街で、ホテル建設中のクレーン車だけでも違和感が大きかった。雰囲気に馴染むのかが心配。周辺の環境が変わってしまうのではないか」(60代女性)

「最近ではそれほど交通アクセスの良いとは言えない場所にもホテルが建設されるようになった」(30代男性)と言う人もいる。