23週かけてようやくここへ。まだ“アンパンマン”じゃないヒーローが動き出した【あんぱん第116回】

戦争の経験がキャラクターにつながっている

 手嶌はのぶのお茶が気に入り、仕事の合間にお茶をたててもらいに来て、戦争体験を語る。そのとき、健康のためにももっと眠ってと心配するのぶと嵩はまるで手嶌の父母のようにも見えた。

 戦争中、まだ少年だった手嶌は「軍国主義教育の映画」を見せられていた。それを聞いたとき、のぶは、きっと刺さったトゲがうずいたことだろう。もう二度と、子供たちに軍国教育をしないように。のぶはそう思ったに違いない。

 嵩はあの頃、軍国主義に否定的だったが、何もできず戦場を空腹でのたうちまわることになった。もう二度とあんな思いはしたくない、そう思っているのだろう。

「戦争の経験がいまになってキャラクターを生み出すことにつながっちゅうがや」とのぶは手嶌も嵩も、漫画のモチベーションが戦争への思いであると感じる。でも嵩は、手嶌と自分を並べることに遠慮があった。そのうち手嶌と並ぶ日本を代表するキャラクターを生み出すのだけれど。

 さて、ここで、9月6日(土)に高知県で行われた『あんぱん』ファン感謝祭に出席した今田美桜、江口のりこ、原菜乃華のコメントを紹介しよう。会場には約900人が来場して盛り上がった。

23週かけてようやくここへ。まだ“アンパンマン”じゃないヒーローが動き出した【あんぱん第116回】

今田美桜

「撮影が終わって2週間くらいたちますが、1年間無事に終われてホッとしております。私がドラマの中で印象に残っている言葉は、次郎さんの『全力で走れ 絶望に追いつかれない速さで』です。のぶとして、この言葉をずっと大切に何度も思い出しながら頑張っていました。悩むことも色々ありましたが、撮影はとても充実していて濃密な時間でした。

 のぶの影響を受けることや、のぶとしてセリフを言う時に自分にグサッとくる瞬間もありましたが、のぶと一緒に自分に対してもすごく向き合った1年でした。

 いろいろな瞬間で、高知県の皆さんからの愛を感じられて、撮影を頑張ることができました。本当にありがとうございました。放送はもう少しあるので、最後まで温かく見守ってもらえたらうれしいです」

江口のりこ

「コミカルな羽多子にこんなに笑ってくれてありがたいです。わたしの演技に関して、多くのファンの方々から、『あれはアドリブですか?』と質問がきましたが、あれは全部台本通りで、チーフ演出の方が、こんな演技どうですか?と毎回導いてくれます。

『あんぱん』を1年近く撮影してきた中で、私のなかで一番思い出すのは、やっぱり朝田家ですね。釜じいがいて、くらばあがいて、豪ちゃんがいて、たまにヤムさんがいる、その人たちの顔が忘れられませんし、3人娘の母親になれてよかったとの思いはあります。

 こんなに愛がいっぱいで驚きました。本当にみなさんありがとうございました」

原菜乃華

「1年間本当に楽しかったです。メイコは好奇心旺盛で楽しい子で、ずっと心の中にいます。また、今日も江口さんや今田さんの顔を見るだけで、すごく温かい気持ちになりました。本当にすてきな作品だったと改めて思いました。今日はお客さんの目がメイコ、のらくろ以上にキラキラしていて、幸せをチャージできました。とても楽しい時間でした」

 この感謝祭の模様が放送される。

【放送予定】・9/20(土)総合 午前8:15~8:58<四国地方向け>
・9/21(日)総合 午後1:05~1:48<四国地方向け>※再放送
・9/23(火・祝)総合・ワールドプレミアム 午前6:10~6:53

<9/20(土)放送終了後~9/30(火)前6:53 まで、NHK プラスで見逃し配信>

23週かけてようやくここへ。まだ“アンパンマン”じゃないヒーローが動き出した【あんぱん第116回】