
サントリーHD会長を辞任した新浪剛史氏が、経済同友会の代表幹事として会見。海外サプリメントの購入について、「法を犯しておらず潔白」と主張した。購入理由は「出張が多く時差ぼけが多い。知人から強く勧められた」という。海外サプリに潜む危険性とは? 働き盛り世代にも身近な「薬物依存に陥るリスク」について、危機管理の専門家が解説する。(エス・ピー・ネットワーク取締役副社長 首席研究員 芳賀恒人)
サントリーHDの対応は妥当
サントリーホールディングス(HD)代表取締役会長の新浪剛史氏が、違法成分が含まれた疑いがある海外製のサプリメントを入手したとして福岡県警の捜査を受けたと同社が公表、同氏は会長職を辞任した。
9月2日の会見では鳥井信宏社長が「トップとして、疑義が生じること自体、求められる資質を欠くと指摘せざるを得ない」と説明。同様に山田賢治副社長も「われわれは口に入る製品を作っており、安心安全は創業以来、一番の目的。ルール・規範を認識することは順守しなければならない。その点で疑義があるのは、辞任の判断をせざるを得ない」と述べた。
翌3日の午後3時から、新浪氏は経済同友会の代表幹事として記者会見。「私がCBDサプリメントを購入したことに端を発して、このようなことになってしまったのは私の不注意であり、社会を騒がせた」と謝罪。警察の捜査については、「私は法を犯しておらず潔白であると思っている」と主張した。
新浪氏はサプリメントを製造、販売する企業でトップを務めていた。そして経済財政諮問会議の民間議員でもある。CBDは大麻草由来で、海外のサプリには大きな危険性が潜んでいる(詳細は後述)。
大麻蔓延による被害が深刻化し国もさまざまな対策を講じている中、たとえ該当のサプリに違法との認識がなかったとしても、軽率とのそしりは免れない。(解任ではないとしても)サントリーHDの対応は企業の危機管理対応として妥当と評価できる。
海外のサプリに潜む危険性
さて、大麻については2024年12月から規制が大きく変わったこと、とりわけ医療用大麻と嗜好用大麻の違いを理解することが重要だ。