みなさん、仕事が一段落するまでなかなか休もうとしません。一段落していないのに休んでしまうのが、まるで悪いことのように感じているかたも多いかもしれません。疲れているのに、無理してがんばってしまうかたもいるでしょう。疲労で作業効率が落ちているなら、一段落する前に休んだほうが仕事の効率が上がることが多いのですが、それがなかなかできません。

 なにより考えてみていただきたいのは、重要なのは現在手がけている仕事だけでないという点です。仕事というのはエンドレスでつながっています。ある仕事が一段落したらそれで終わりではありません。一段落目があるなら、続いて必ず二段落目も三段落目もあるのです。

 一段落目で無理して疲れ果ててしまい、次の準備ができなければ、その仕事に支障をきたすことになってしまいます。エンドレスでつながっている仕事においては、一段落していなくとも、その先を見て前もって休んでおくことがとても大事なのです。

 疲労したから休むのではなく、疲労しそうだから先に休んでおくのです。もちろん仕事が一段落しなくても、疲労で作業効率が落ちていることがはっきりしてきたら、まずは休みましょう。

仕事が終わった時点から
翌日の準備が始まっている

 たとえば、山登りに行くとき、私たちは自分たちの登山ルートから逆算し、前もって準備して出かけていきます。前もって予想される工程を見据えて準備を行い、かつ、必要な活力をたくわえておこうとすることがとても大事です。疲れてからではなく、疲れる前にあらかじめ準備する。このように発想を切り替えていく必要があるのです。

 みなさん、どこから仕事は始まっているか、今日の仕事はどこから始まっているかと聞かれたら、当然ながら、「その日の朝の始業から」とお答えになるでしょう。

 しかし、仕事は連続的に続いていると考えると、仕事は1日単位でとらえるべきではないと私は考えています。その日の朝から仕事が始めるのではなく、前日の仕事が終わったところから翌日の準備が始まっていると考えていただきたいのです。今日の仕事の起点は、実は前日の仕事が終わったところからスタートしています。