日本人が「いつも疲れている」根本理由同書より

忙しいビジネスパーソンの中には、平日の疲れを癒すために土日はずっと寝ているという人は少なくない。しかし、「ただ寝るだけ」では体力はたったの50%しか回復していないのだという。休養学の専門家が、休んでも疲れが取れない本当の理由を解説する。※本稿は、片野秀樹『寝てもとれない疲れが消える マンガでわかる休養学 最高のパフォーマンスを生む休み方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

日本人は意外と
「休んでいる」!?

 休養したのち、仕事の生産性がアップするような休み方とは、どんな休み方でしょうか。それを考えるために、まず日本人の労働時間を他の国と比べたとき、どんな違いがあるか確認してみましょう。労働時間について、OECD諸国(2022年)と比べてみます。

 みなさんは、きっと日本人がとりわけ長く働いているイメージをお持ちかもしれません。ところが、調べてみると、OECD加盟国の年間平均労働時間は1752時間。一方、日本はパートタイムの労働者も含むデータではありますが、1607時間。日本の数値は平均より少なめ、加盟国平均より145時間も少ないのです。

 ただ、その一方、データの示す労働時間がわりに少ないにもかかわらず、実際には、「自分たちは長時間労働をしている」と感じている日本人は、かなり多いのではないでしょうか。

 ご自身を振り返って考えてみてください。みなさんも、自分は働きすぎているという実感をお持ちではありませんか。

 どうしてそんなふうに多くの方が感じてしまうのでしょうか。