筑駒伝統の「三大行事」

三大行事の筆頭「文化祭」開催日へのカウントダウン三大行事の筆頭「文化祭」開催日へのカウントダウン

――筑駒というと、他校では珍しい音楽祭がまず思い浮かびます。

山田 三大行事のうち、人見記念講堂(昭和女子大学)を借りて行う6月の音楽祭は、クラス対抗の合唱で、直前1か月ほど練習します。2日間行う9月の体育祭は、生徒主導の委員会によって進められます。

 文化祭は、中高各クラスと高3特別班が長期間の準備をします。10月下旬から11月上旬の、土日祝日を2日以上含む3日間、今年は10月31日から11月2日まで開催される予定です。

――先日、NHKが文化祭を番組にしていましたね。3日間も行う学校も珍しいですが、高3が主体というのもユニークです。文化祭が終わると、一斉に受験勉強に向かうイメージですか。

山田 私は縁日班で古本を売っていましたが、文化祭を一生懸命やることに誰も疑問を持っていません。昔は夏休みから準備をしていたようですが、いまは学業に専念してもらうため、夏休みの文化祭準備は学年の方で禁止することが多いです。

――他に、校外学習など学校行事としてはどのようなものがありますか。

山田 中2・中3・高2の校外学習を本校では「地域研究」と呼び、総合的な学習の時間に行います。中2では東京地域研究を行います。5月に中3は東北地域研究、高2は関西地域研究に出掛けます。希望分野ごとに5人程度の班を編成して、テーマを絞って訪問先を設定します。

――観光地を回るだけではないのですね。

山田 東北は3泊4日で、その中で官公庁や企業、地元産業などの取材を行います。関西は名古屋から吉野を経て奈良・京都と移動しますが、地元企業を取材することもあります。中学生は後日報告書を作成し、発表会を行います。

――図書室に歴代の報告書が製本されて置いてありました。ここまできっちりとやる学校も珍しいですね。ところで、先生からご覧になった筑駒生のイメージとは。

山田 勉強だけではない、自分が好きなこと、得意なものを持った、優しい子が多いと思っています。

――以前、筑駒はテクノクラートの集団という話を伺ったことがあります。東大の教員では筑駒出身者が学内のあらゆる管理職に就いています。早稲田大学でも筑駒から白井克彦、鎌田薫と2代続けて総長が出ました。日本銀行総裁も黒田東彦、植田和男と続きました。

山田 政治家はあまりいませんね。

――最近では、農林水産大臣や法務大臣、経済産業大臣を歴任した斎藤健さん、関税交渉で日米間を往復した赤沢亮正・経済再生担当大臣が思い浮かびます。  

図書室に設けられた「地域研究」のコーナー図書室に設けられた「地域研究」のコーナー¥¥¥