雪道や凍結路面など、路面状況が厳しくなるほど、
新型のアドバンテージは明確になる
1週間にわたった報道試乗会で、われわれの参加日だけ雨に降られた。これは“恵みの雨”、雨天だからこそわかったことがいろいろあった。まずはオフロードで試乗。房総の採石場跡地に設定されたコースで新旧を乗り比べた。試乗コースは、凹凸はもちろん、かなりの急勾配がある岩場が主体。見た感じ、かなり厳しそうに思えた。だが、スバルならではのシンメトリカルAWDの利点、すなわち重心が低く前後左右のバランスのいい点が効いているのだろう。新旧とも難なく走れたことにまずは感心した。
並のSUVだと躊躇しそうな急な下り勾配でも、いたって安定しており不安なく走れる。最近はどのメーカーも4WD性能をどんどん高めてきているが、ライバル車ではなかなかこうはいかない。あらためてスバルのよさを見直したのだが、新型はいろいろな面で従来型を確実に上回っていた。ざっくりいうと、新型のほうが乗りやすく、乗り心地がよくて安心感があった。

従来型は路面の凹凸を拾ってビリビリとした振動が出る。対して新型はしなやかというと大げさだが、じわっと動いて振動があまり気にならない。縦方向だけでなく横揺れも小さい。減衰がしっかり効いていて、入力を受け止める車体も強靭な感じがする。
サスペンションのストローク量としては新旧で同等だそうで、どちらもほぼ底付きすることなく走れたのもたいしたものだが、感触としては新型のほうが足が長い。ただでさえ滑りやすそうな路面が雨でさらに滑りやすくなっていた中でも、路面を捉えている感覚があった。曲がり方も微妙に違っていた。新型は操舵に対する初期応答性に優れるとともに、よりアクセルを踏んで曲がっていける。従来型もかなりの実力だが、新型は懐が深い。優れた悪路走破性とともに、安心感と快適な乗り味を実現していた。雪道や凍結路面など、路面状況が厳しくなるほど、新型のアドバンテージは明確になるだろう。