「真っすぐとスライダー、というのも、真っすぐとスライダーを交互にやっていきます。真っすぐ、スライダー、真っすぐ、スライダー。こうやっていくと、次に来る球種が分かっていても、前の球種の影響を、次の球種で受けたりする。
スライダーを打った後に速い真っすぐが来て、差し込まれたりとか、分かっていてもそういうことが起こるんです。だから、球種が順番に来る状況で、まず打てるようになりましょうと。それができるようになったら、何が来るか分からないミックスの状態で、となります」
レジェンドの長谷川勇也が
4軍選手に立ち会う贅沢な環境
その検定に立ち会うのが、2024年に1軍打撃コーチからR&D部門のスタッフに転身した長谷川勇也だ。現役15年で通算1108安打。2013年には打率.341、198安打で首位打者と最多安打のタイトルを獲得。
野球に打ち込む真摯な姿勢に「打撃職人」と呼ばれ、ファンからも絶大な人気を誇ったレジェンド級のプロフェッショナルだ。

この長谷川が、検定で打球方向や当たりを判定する。判定は実にシビアだというが、検定の際には、長谷川の技術指導やアドバイスも当然ながらついてくる。
「検定は、あくまで検定なんです。そこで身につけた技術をいかに試合の中で使えるか――『転移』というんですけど、この技術転移を起こせるか、ということが結構大事なんです。その技術転移のハードルが、検定をやっておけば、ある程度下がってくるんじゃないかと」
城所が、その狙いを込めて作成した「打撃検定」。その16ステップを、初めてクリアした選手が現れた。