1月入試校の校長人事

 県立高校の校長が定年後に就くことが多かった埼玉栄(さいたま市西区)の校長職に、中学校教頭から昇格した生え抜きの勅使河原貞(みさお)氏が就いた。数学科教員で、全国的にも珍しい居合道部も率いてきた。

 流通経済大学付属柏(千葉・柏市)の堀江健二氏は、東邦大学理学部出身の理科教員で、本校ひと筋。長く軟式・硬式の男女テニス部と吹奏楽部の顧問を務め、2021年に教頭となり、24年は高校副校長も務めた。高校校長の柴田一浩氏、23年新規開校の中学校長の赤城政広氏の後任として、中高の校長を兼ねることに。 清真学園(茨城・鹿嶋市)は、県立中央高校校長を定年退職後、副校長をへた柴山修二氏が新校長に就任している。

 ここからは東京で出張入試などを行っている5つの学校を見ていこう。早稲田大学系属早稲田佐賀(佐賀・唐津市)では、地元出身の迎(むかえ)佳和氏が新校長に。芸術(音楽)教員で吹奏楽部を率いてきた。県立高校教員から10年の開校に合わせて本校に転じ、高校教頭、副校長からの昇格である。校長を兼任していた早稲田大学文学学術院教授も兼ねる渡邉義浩氏は、理事長に専念する。早大への推薦枠は140あり、25年は125人が内部進学した。1月12日と2月5日実施の首都圏入試では約40人を募集している。

 ちなみに、中学校の募集を停止し、25年に早稲田摂陵高等学校から校名を変更した早稲田大学系属早稲田大阪高等学校は、早稲田コース(募集定員74人)全員相当の内部進学枠を設けることとなった。

 20年前に学習塾の富山育英センターが開校した片山学園(富山・富山市)は、主要教科の教員は塾の講師からという形で同センターが全面的に支えている。金沢大学出身で、この塾のエース的存在である山口正人氏が中高の新校長に就いた。中学校長だった片山愛子氏は学校法人育英学園の副理事長に。理事長は富山育英センター理事長も兼ねる片山浄見氏である。26年も1月7日に国内入試会場の一つが関東に設けられる。

 佐久長聖(長野・佐久市)で7年間校長を務めた佐藤康(やすし)氏は、順天堂大学体育学部出身で柔道5段の猛者。江戸川学園取手高校で教員となった後、寿司屋やホテルオークラに勤務、30代半ばで渋谷女子高校に入り、共学化して渋谷教育学園渋谷に衣替えする過程に関与、入試対策部部長や柔道部総監督として活躍した。明星の井上新校長が幕張で、この佐藤氏は渋谷で、渋谷教育学園の助さん格さん的存在だった。このたび、県立軽井沢高校の元校長である依田彰氏が新校長に就いた。東京入試も毎年2回行っているが、受験生の確保が新校長の大きな課題となるだろう。

 西大和学園(奈良・河合町)で3年間校長を務めた飯田光政氏は、西大和大学理工学部教授に転じた。19年から学園長を務める岡田清弘氏が、校長も兼任することに。東京会場でも1月に入試を行っている(25年は6日に東京国際フォーラム)。

 今夏の甲子園大会は沖縄尚学と熱戦の末、ベスト8入りはかなわなかった仙台育英。同じ学校法人の傘下にある秀光中学校(仙台市宮城野区)は、21年に中等教育学校を廃校して仙台育英学園高校の併設型の中高一貫校として開校した。新校長に就いた加藤聖一氏は120年を迎えた学園の創立者である加藤利吉の玄孫(やしゃご)で、慶應義塾大学経済学部の出身。父である加藤雄彦・学校法人仙台育英学園理事長の後を継いだ。聖一氏は23年開校の仙台育英学園沖縄高校の校長も兼ねる。地元以外の受験生に対しては、通年型の秀光通年選考(SIRA)をオンラインで実施している。