体を前に倒して「乗り出す」姿勢を取ると、「もっと詳しく聞きたい」という気持ちが相手に伝わります。話が盛り上がってきそうなときに効果的です。

「驚いたとき」や「感心したとき」は目を少し大きく開けるとよいでしょう。「目をぱっちり開こう」「目を輝かせよう」という意識を持ってやってみると、うまくいきます。

 どれも簡単な動作で「関心を持って話を聞いていますよ」という姿勢を、相手に伝えられます。

 特に体を少し前後に動かすだけの「のけぞる」と「乗り出す」は効果があります。口下手な人にもできる手法なので、ぜひ試してみてください。

会話で起こりがちな
「話しすぎ」と「沈黙」

 相手が自分の話に夢中になって止められなくなっても、こちらが尋ねた以上、話を途中で終わらせるのは失礼です。ただし、ビジネスの場では時間に限りがあります。

 相手の話をどこかで絶ち切りたいときは、タイミングを慎重に見極めて、「そういえば」「ところで」というフレーズを使って話を切り替えましょう。

 これらのフレーズを使うことで、話の流れを自然に変え、次の話題に移れます。相手に対しても失礼にならず、スムーズに会話を進行させることが可能です。

 沈黙されると「質問がわかりにくかったかな」「違う質問に変えようかな」などと不安になります。ですが、相手は単に言うべき言葉を選んでいるだけのことも、少なくありません。沈黙に対しては相手の思考を遮らないように、焦らずじっくり待ちましょう。

 イギリスの思想家トーマス・カーライル氏が広めた言葉に「雄弁は銀、沈黙は金」というものがあります。相手が黙ってしまうと、その時間が何分にも感じることがあります。しかし、実際には思った以上に短いもの。その沈黙が相手に考える時間を与えることになるので、その後の会話がスムーズになります。

普段から口数が少ないのに
インタビュー上手な記者

 かつて、普段から口数が少ない先輩記者がいました。その先輩のインタビュー記事は非常に上手で、同僚からその先輩の話をよく聞いていました。