私は幸いにして激モテ人生を送ってこなかったので、自分がモテているという勘違いに陥ることなくここまで来ました。かつてけっこうモテた自負のある人は、10代の記憶を20代に持ち越して、20代もイケてるから30代でもまだまだイケてるので、これで40代もイケてるなと思ってしまいがちです。けれども、ほかから見るともうどうにもイケてない。そこで大変な女性関係のトラブルを引き起こしてしまうことになりかねません。

女性は柔らかく老いるのに
男性は不機嫌状態が平常運転

 45歳になったら、それ以降モテるということは金輪際ないと思ったほうが安全です。そのくらいの年齢になると、普通にしているつもりでも不機嫌そうに見えるという宿命を持っています。

 20代の男性が普通にしていて不機嫌そうに見えることはあまりないでしょう。20代、30代あたりでは、普段の表情に男女の別をあまり感じません。

 ところが40代後半から話が変わります。40代くらいの参加者が多い講演会に行く機会も多いのですが、一方はほぼ100%中年男性、もう一方は100%中年女性というときに、リアクションのやわらかさがかなり異なっていて、女性のほうは反応がいいものです。その反応を見るに、女性はあまり老けたという感じがしません。ところが、男性のほうは不機嫌そうに見える人が多く、反応が鈍い感じがするのです。

 老化は見た目以上に、話に対する反応の悪さでそう感じることが多いのです。たとえば、小学生の女子と中高年の女性では、どちらも話の伝わる感じや反応がよく、それほどの変化を感じません。けれども男性の場合、小学生の男子と45歳以降の男性というのは、話の伝わる感触や反応の程度においてあまりにも差が激しいのです。

 男性の皆さんは45歳以上の中高年になると、人気もなくなるし、不機嫌そうに見えるというハンディキャップを負うことになると意識して、ゆめゆめ勘違いを起こさないようにしようと、自戒も含め、その年代になる前からしっかりと心に刻み込んでおきたいものです。