ただし今の時代、いかにデキる人であっても人格的にハードな人は問題があるかもしれません。人を蹴落としたり貶めたりすることで自分が前に出る人には学ぶべきではないでしょう。人格的には穏やかで仕事は早くて適確という人は必ずいますので、年下の人であってもその人を師として弟子入りするくらいの気持ちでいましょう。
パソコンなどはとくにそうで、40代、50代が20代を先生として教えてもらうことがよくあります。年齢は関係なく、いいスキルを持っている人に謙虚に教えてもらおうという姿勢が大事です。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言いますが、学ぶ姿勢があって素直さというものがあると30代、40代はぐんぐん伸びていくものです。松下幸之助の言葉に「素直初段になれ」という言葉があります。
囲碁はおよそ1万回打てば初段ぐらいの強さになれると聞いた松下幸之助さんは「素直な心になりたいということを強く心に願って、毎日をそういう気持ちで過ごせば、1万日すなわち30年で素直な心の初段にはなれるのではないかと考えるのである」と言っています。

毎日毎日、素直な心になりたいと願い続けるとは、さすが経営の神様は違う、と思いました。素直であることを旨として30代、40代を生きると、肩に力を入れすぎた感じとか、人に対してマウントを取るというようなことはなくなります。
「私はこれが得意です」というような自画自賛はもちろんあっていいのですが、学ぶときには素直であれということです。
何か自分の知らないことがあったとき、知ったかぶりをするのではなく「それについては全然知りませんでした。一からやってみます」ということを堂々と言える姿勢こそ素晴らしいと思います。