「もっと深く厚く広く、世の中の役に立ちたい」
専門の勉強を楽しく続けているとはいえ、つるのさんの本業はタレント。レギュラー番組の収録や地方でのロケ、さらに、アーティスト活動などで日本全国を駆けまわり、多忙な日々を送っている。タレントでなくても、本業を抱えながら学ぶことは至極たいへんなものだが、どのように時間を捻出しているのだろうか?
つるの 移動中の車内に加え、地方では、仕事を終えてホテルに戻ってから本を読んでいますが、勉強の継続は外発的な要因も大きいですね。大学では2週間に一度の中間試験、その2週間後には単位修得の試験などがあって、そのために、参考になる文献を探しては読み漁り……というふうに、やるべきことの優先順位を大切にしています。
僕の場合は“学び始め”でしたが、世の中には大人になってから“学び直し”をする人も多く、お金を払って得た知識が蓄積されて、自分のものになっていく――その循環がとてもいいと思います。
学び続けながら、僕が50歳になって考えたのは、これまでとは違う視点で、もっと深く厚く広く、世の中の役に立ちたいということ――50歳以前の人生が土台作りだとしたら、その土台の上からもうひとジャンプする段階にきたのだと感じています。
ある程度の年齢に達すると、精神的にも経済的にも余裕ができて、「再び勉強したい!」「新たな分野に挑戦したい!」と考える人も少なくないだろう。しかし、若い頃と比べて、体力は落ちているし、重い腰はなかなか上がらないもの。さまざまなことに挑み続ける、つるのさんのエネルギー源は何か?
つるの 僕は、“退屈”というものが苦手で、何かに熱中していないと元気でいられません。家(うち)の子どもたちが、将来の進路を考える時期にさしかかっているのですが、僕は、親であるとともに、“僕自身が一人の人間として成長する過程”を子どもたちに見てもらいたい。パパは一家の大黒柱として存在しているけど、そんなパパだって、人間だから当然悩むし、ママも努力を忘れない。試験前に僕がリビングで勉強していると、子どもたちも自然に集まって一緒に勉強を始める。その光景を俯瞰したときに、「なんだか、いいなぁ」って思います。そして、試験の後に、家族のグループLINEで「受かったぜー!」と報告すると、子どもたちが「おめでとう!」と祝福してくれる――挑み続ける姿を見てもらうことが、 “学び続けること”の僕のエネルギー源でもありますね。








