のぶ、星子を秘書に抜擢。突然のお留守番に嵩はびっくり。
ようやくのぶが夢をかなえられなかったコンプレックスを払拭できたとき、病魔が彼女を蝕んでいた。
ある日、嵩が帰宅すると、のぶが留守で、星子(古川琴音)がいた。
「先生、おかえりなさいませ」「今日からこちらで働くことになりました」と言う。
みんなが見向きもしないときからアンパンマンを好きだった星子を、のぶは見込んだのだ。
いや、でも、いきなり若い女性が仕事場兼自宅にひとりいたら、こわいし、なんかやばい。
星子をお留守番にして、のぶは病院に行っていた。
星子からその話を聞いた嵩はのぶを迎えにいく。この日は取材とか対談とかがたくさん入って忙しかったようだが、それどころじゃないとキャンセルしたのだろう。
のぶが手術をすると聞いて、嵩は呆然。
その傍らで、子どもが「アンパンマンはじまるから早く帰ろう」と母親に言っている。アンパンマンがすっかりブームになっている。それと引き換えに、のぶが病気になってしまったようにも見える。
のぶの夢をアンパンマンがかなえ、アンパンマンヒットの悲願をのぶが自分の健康と引き換えにかなえた。まるで、高知にあったシーソーのようだ。
「嵩さんがついちゅうき元気100倍や」とのぶは嵩と腕を組んで歩きだす。そのときの嵩のやりきれない表情が印象的。ものすごく心配なのが伝わってきた。走ってきたときのお年寄りだから勢いがない感じの表現も巧い。
のぶの健康が心配だが、この抑制された小津安二郎の映画のような空気感、明日が最終回とは思えないぞ?
