
親の介護と聞くと「同居して世話をする」という姿を思い浮かべがちである。だが、現実には仕事や生活の事情で同居できない人が多数派だ。そんなときに頼りになるのが、最新のアイテムや見守りサービスである。それらをうまく取り入れることで、安心と負担軽減を両立できるのだ。無理に抱え込まず、距離を保ちながら支える方法を見つけよう。※本稿は、旦木瑞穂『しなくていい介護 「引き算」と「手抜き」で乗り切る』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
遠距離・近居介護の進め方と
安心して過ごせる見守りグッズ
田村さんは、実家から高速道路を使って3時間ほどのところで暮らし、看護師として働きながら、現在も両親の遠距離介護を続けている。田村さんのきょうだいたちは、いずれも親との同居を選択していない。このように、親と同居を“しなくていい”介護方法として、「遠距離介護」と「近居介護」がある。
「遠距離介護」は、実家に親、離れたところに子どもが生活し、時々子どもが実家に通って介護する方法。「近居介護」は、子どもが暮らす家の近くに親を呼び寄せたり、自分が実家の近くに住み、子どもが親の家に通って介護する方法だ。
田村さんのきょうだいに当てはめると、田村さんと姉は「遠距離介護」妹は「近居介護」になる。
いずれも親と同居せず、子どもが通う介護方法だが、それぞれの進め方について解説しよう。
離れて暮らしている親に衰えが見られ始めたものの、まだ一人暮らしができるレベルである場合に役立つアイテムやサービスがある。以下は特に「遠距離介護」の場合に頼りになるものだが、見守りセンサーや見守りカメラ、GPSなど、「近居介護」でも親の状況によっては便利なものもある。
ぜひ自分や親に合うものを探してみてほしい。