なめらかで上質な乗り心地

 シーライオン7のボディサイズは全長4830mm×全幅1925mm×全高1620mm。横幅が1.9メートルを超える巨大なクルマだ。それなのにあまり目立たない。オラついた感じがしない。押し出し感を抑え、日本の街にもしっくりとなじむ優れたデザインだ。

 今回はこのクルマに乗って小淵沢へ1泊のゴルフに出かけた。

 土曜日の朝、自宅を出て角を4回曲がって約3キロ、甲州街道に出る。街中の低中速運転で、このクルマの基本的な性格がうっすら見えてきた。

BYD シーライオン7で街中を走るBYD シーライオン7で街中を走る Photo by F.Y.

 発進は、優れた万年筆のペン先のしなりに近い。力を1→2→3と少しずつ乗せていけば、書かれた線も1→2→3と素直に太さと濃さを増していく。安価な万年筆にありがちな書き始めの“かすれ”(線が薄く途切れる感じ)も、ちょっと触れただけで“ドン”と出過ぎる過敏さもない。ペダルを踏んだ分だけすっと前に出るので、信号待ちから動き出す最初の数秒が一筆書きのように滑らかで、体が前後に煽られにくく、同乗者の首もガクガクしにくい。

 ブレーキは回生と油圧のつながりが非常に上質で、停止直前のカックンも出ない。巨体に似合わず運転席からの見切りも良い。総じて無駄な演出がなく、上質な乗り心地。

 ちなみにこのクルマの価格は、後輪駆動が495万円、四輪駆動でも572万円と格安だ。お買い得ですぜ、奥さん。

シーライオン7のフロントシートシーライオン7のフロントシート Photo by F.Y.
シーライオン7のフロントシートシーライオン7のフロントシート Photo by F.Y.