素直で運転しやすいけれど、もうひとさじ“艶”が欲しい
小淵沢インターを降りて長い坂道を登る。今日は移動だけでゴルフをするのは明日だから時間は十分にある。清泉寮でソフトクリームを食べよう、という話になった。八ヶ岳高原ラインのワインディング。クロスオーバーの背丈を抑えたパッケージが効いてくる。重心が低いので、切り始めのヨー※が素直で姿勢作りがしやすい。一定舵で荷重を預けていくと、立ち上がりの駆動が破綻(はたん)せず、踏み増しても前後配分がきれいにトルクを出す。要するに速いのだ。だからこそ路面のコブや継ぎ目を跨いだ直後、次のターンインでハンドルに一手多く当てる瞬間が惜しく感じる。ああ、もったいない。ここはもう少し頑張ってほしかった。ハンドル切り始めの“重さの出し方”も、もうひとさじの艶が欲しい。
※ヨー…(ステアリング操作に伴い、車の)進行方向が左右に向きを変える動きのこと



静粛性はとてもよくできている。床からのゴワゴワ感が少なく、荒れた舗装に入っても耳障りな帯域が目立たない。だから長距離移動でも疲労が出にくい。
UIの日本語はそこそこ。だが道案内はやはりGoogleマップのほうが便利だ。Apple CarPlayやAndroid Autoでスマホを接続して、Googleマップを使うことを推奨する。回転するセンターディスプレイは、ナビとして使う際は縦表示が見やすく便利。運転支援はACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の間合いが自然で、レーンキープの介入は弱め。強引に真ん中に戻そうとせず、外れないように寄り添ってくれる印象だ。