八重垣神社の恋占い
いやいや、さすがにそれはなかった。勘右衛門(小日向文世)がかんかんになって森山を追い出す。
貴重なしじみ汁をぶっかけてしまう。もったいない。
塩をまこうとしたが、まく塩がない。そこまで困窮している松野家。
「おなごが生きていくには身を売るか、男と一緒になるしかない」と言うなみの言葉が正しければ、身を売る以外の選択肢はひとつ。
「婿様をもらいましょうか」とトキは覚悟を決めた。妙にサバサバしている。『ベイビーわるきゅーれ』の殺しを請け負う瞳をしている。
覚悟を決めたトキが向かった先は縁結びで有名な八重垣神社の鏡の池。ここは乙女っぽい。
紙の舟にお金を乗せて池に浮かべると、早く沈めば、すぐに相手が見つかるという占いが有名な神社で、せん(安達木乃)とチヨ(倉沢杏菜)といっしょに占うと、トキの舟だけが一向に沈まない。どんどん遠くに進んでいくばかり。
「すごい頑丈」「黒船みたい」……。
この占い、舟が離れていけばいくほど、遠い人と縁があるそうなのだ。遠いところにいてなかなか出会えない人――それはきっとヘブン(トミー・バストウ)なのだ。つまり、占いは当たっている。でもそんなことに気づくはずもないトキだった。
沈まない舟をぼうぜんと見つめている高石あかりの表情が最高だった。時間の経過を、池の縁にいる人たちの変化を何カットも撮って見せる。こういう手間をかけることを第1週だけでなくずっと続けてほしい。
八重垣神社のホームページを見ると、「八重垣神社・鏡の池におきまして5月21日(水)・5月22日(木)は、外部団体が終日使用の為、ご参拝いただけない時間帯がございます」と書いてあった。5月21日は松江市ではじめてのロケが、八重垣神社で行われた日であった。外部団体とはNHKだったのだ。
ところで、蛇(渡辺江里子)と蛙(木村美穂)の寿命が気になる。リアルだと、蛇は20年、蛙は5年とか10年。未来の東京にもいた(第1話)ということは、蛇と蛙はイマジナリーなのだろうか。
