サステイナブルが当たり前の世の中が
必ず来ると確信

 バナナペーパーとは、アフリカ・ザンビアの農村で廃棄されたバナナの茎などを活用して作られる、環境や人権に配慮した紙です。フェアトレードの仕組みで生産者に正当な対価を払い、村の貧困層の方の雇用や教育につながっています。

 最近ではサステイナブルな取り組み、というのは会社経営において非常に重要だと広く認識されていますが、2011年の頃にはそんな雰囲気はありませんでした。ですが私は昔からサステイナブルに関心があり、会社として取り組みを進めてきました。

 当時はサステイナブルなんて言葉も聞き慣れなかった頃ですから、「何のためにやるのか?」「利益が出るのか?」と懐疑的な声が多く上がりました。特に東日本大震災の影響で業績も悪くなっていた時期ですから、「今そんな新しいことを始めなくてもいいのでは」という意見もありました。

 でも私は、新しいことに挑戦し続けなければ、会社の未来はないと思っていましたし、サステイナブルが当たり前の世の中が必ず来ると確信していました。結果として2022年にはバナナペーパーの成長率は200%を達成。今もその成長は続いています。

 なぜこうした未来を先取りするような動きができたかといえば、私自身も常に学び続け、変化を恐れずに進んできたからです。そして今では山櫻全体に、そうした企業文化が根付いてきています。社員一人ひとりが「昨日の自分を超える」意識を持ち続けることで、その先の流れをつかめるようになる。過去ではなく「これから」に目を向ける会社へと成長し続けている自信があります。

 私たち山櫻は創業100年を迎えようとしている、いわゆる「老舗企業」といわれる会社です。ですがこれまでの実績に甘んじることなく、新しいことにチャレンジしていかなければいけない。その象徴の一つとして、新しくリブランディングするクラウド名刺発注管理サービス「NAMEROOM」があります。

 紙の名刺とデジタル名刺を一元管理できる、このハイブリッドな名刺サービスは、アナログとデジタルの両方を活かしていこうという紙の老舗企業である山櫻ならではのアプローチから生まれました。

 伝統は大切にしながら、「常に新しいことに挑戦し続けよう」という思いを持つ社員たちが、山櫻では多く働いてくれています。会社の成長というものは、学び続ける人から始まると私は信じています。

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