「英語が話せそうな政治家」1位は誰?
実際の討論会では真逆の結果に!
さて、弊社TORAIZ(トライズ)が実施した「総裁選候補者の英語力イメージ調査」(18歳~59歳の1008人が回答)の結果も紹介しましょう。自民党総裁選候補者5人の中で「最も英語を話せるイメージがある人物」を尋ねたところ、高市氏が13.2%で最多となり、小泉氏が12.9%で僅差の2位となりました。

つまり、有権者へのイメージ調査では「英語ができそう」と見られていた高市氏と小泉氏が、実際の討論会で英語での回答を求められると英語を使わなかった一方、イメージ調査では目立たなかった林氏と茂木氏が英語で答えたという、筆者も想定外の結果となったのです。
トランプ氏とも交渉する
自民党総裁=首相に英語力は必要か
この調査では、そもそも「総裁選候補者に英語力は大事だと思うか」という質問もしています。結果は、「とてもそう思う」「ややそう思う」が計66.8%と、英語力が重視されていることが分かります。

また、「英語が話せる政治家は頼もしいと思うか」には、「とてもそう思う」と「ややそう思う」で計64.2%でした。英語を自在に操れる政治家は有権者に安心感を与える存在であると、数字に表れています。

さらに「トランプ米大統領との交渉が最もできそうな人物は?」の問いでは、高市氏が20.3%でトップ、小泉氏(9.6%)、茂木氏(6.6%)と続きました。ただし、「あてはまる人物はいない」「わからない」の合計が過半数あり、総じて候補者全体に「交渉力がある」という印象は浸透していないことも明らかになりました。

問われるのは英語を含めた発信力と
状況判断力のバランス
ひろゆき氏の無茶ぶり質問に対する5人の回答と、弊社のアンケートを合わせて見ると、候補者に求められているのは「完璧な英語力」ではないことが分かります。多少ぎこちなくても、自らの考えを英語で発信しようとする積極性や機敏な対応力が評価につながるでしょう。
ただし、ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏との対談で、英語発言をめぐって誤解や摩擦を招いたように、大事な局面ではあえて通訳を入れる判断も必要です。つまり、政治リーダーにとって真に問われているのは、英語力の巧拙そのものではなく、英語を含めた発信力と状況判断力のバランスだと感じました。
