「きちんと働いてくれるのなら、ツッパリロケンローでも問題なし。人は見かけじゃない。むしろ個性的でおもしろい!」と採用に踏み切ったのですが、見事にミスマッチ。接客業にもかかわらず「お客様に食ってかかる」「お客様相手にキレる」など、難儀な思いをしました。
凪の採用が不発に終わった原因は、2つあります。
1つは、
「採用計画があいまいだった」
ことです。
「どんな人材が必要なのか」
「その人材に何を期待するのか」
「いつから、どのように採用していくのか」
といった計画を立てず、行き当たりばったりで「誰でもいいから採用」していたため、ミスマッチが起きていました。
そこで現在では、経営計画書に「採用に関する方針」を明記して、社員に周知徹底しています。
採用時に見栄を張らないことで
最初から同じ価値観で仕事ができる
もう1つの原因は、
「いい話ばかりしていた」
「カッコつけていた」
ことです。
飲食店のなかでもラーメン店は、「重労働で拘束時間も長い。それでいて給料が安い」と思われているせいか、敬遠されがちです。
そのため、店舗での地道な仕事をイメージさせないよう、求職者への説明会で海外展開やコンサル事業などばかりを強調して、「いかに凪が将来性のある素晴らしい会社であるか」「飲食がいかにお客様を幸せにするか」を力説したこともありました。
すると入社してお店に配属されて初めて「店舗で働くこと」を知るわけですから、「入社前と話が違う」と失望するのも無理はありません。
同書より転載 拡大画像表示
下手に取り繕って「凪のことをよく見せよう」と色気を出すから、入社後のギャップが大きくなります。だとすれば、最初からありのままを見せておいたほうがいい。そのことに気がついてからは、「凪の現実・現場・現物、人物を数多く体験させて、良いところ、悪いところを見せる」を採用の方針としています。
「悪いところ」を見せるのは、入社前と入社後のギャップをなくすためです。







