
人手不足の昨今、コストをかけて採用した人材に定着し活躍してもらうためには、どうしたらいいのだろうか。採用において履歴書の提出を求めない経営コンサルティングファーム、MIMIGURIの独自の採用戦略をご紹介する。※本稿は、安斎勇樹『冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』(テオリア)の一部を抜粋・編集したものです。
組織として理想の
“新陳代謝”を考える
組織変革においては、人材の新陳代謝に対する長期的な視点も欠かせません。短いサイクルでメンバーが加入・卒業してもやっていける組織を目指すのか?あえて長期雇用を前提とした組織にするのか――?
メンバーの新陳代謝には、「その組織らしさ」が表れます。労働力人口が著しく減少しつつある日本では、深刻な人手不足に陥った結果、目先の人材確保に追われている企業も少なくありません。また、事業戦略を優先するあまり、メンバーの出入りに関する課題対応がおざなりになっている会社もあると思います。
しかし、「人と事業の可能性を広げる土壌」としての組織づくりは、長期的な営みです。新しいメンバーの採用、既存メンバーの退職、さらには経営の継承なども含めた「人的な循環」なども含め、「組織としてどんな“新陳代謝”のリズムを理想とするのか?」について、経営チームでよく話し合っておく必要があります。
冒険的組織づくり(編集部注/不確実な世界のなかで仲間たちと協力して新たな価値を生み出していく“冒険者”たちが集まる組織)は変化と整合の連続であり、変革に終わりはありません。その途上では、出会いもあれば別れもあります。「最高の仲間が揃っている!」と実感できても、同じメンバーで同じ関係性のままずっと組織が続くことはないのです。