韓国の反応は比較的冷静
冒頭で書いたとおり、高市氏は右派政治家であるとは報じられているものの、こうした点を鑑みても、韓国国民は高市氏の首相就任を比較的冷静に受け止めている印象がある。李氏もまた、高市氏を必要以上に警戒したり攻撃したりするのではなく、しばらくは注視に徹するだろう。韓国大統領府は「韓日関係の肯定的な流れを継続するために引き続き協力していく」との声明を発表している。
高市氏が首相になった後の日韓関係を危惧する声もあるが、高市氏は今のところ韓国では、安倍氏の名を出すことによって認知されており、高市氏本人の政治手腕などについてはまだまだ未知数とされている。
10月7日、高市氏は靖国神社の秋の例大祭への参拝を見送ることを明らかにした。首相就任前に外交で火種を抱えることを回避したのだろう。このように、日韓双方が、当面は関係性を模索していくものと思われる。
先述のように、この数年で急速に悪化した物価高による国民生活の逼迫や、外国人の増加による諸問題など、日本国内には早急に対応すべき課題が山積している。加えて、身内である自民党内も不安定な状態であり、高市氏にとって政権運営は厳しいものとなることが予想される。
それでも、高市氏が首相になった際には、苦境を乗り越えながら政権運営を行い、韓国に対しても安易に妥協することなく、かつ建設的な関係を築いていくことを期待したい。
