発明を生み出す
5つのステップ

 さて、発明マインドがオンになったところで、発明をしていきましょう。

 発明マインドがオンになったことで日常的に発明は生まれてくると思います。しかし、そのような偶然に生まれる発明が必ずしもモノになるとは限りません。僕も、思いついたけれども規模が
大きすぎて自分の手には負えず、あきらめた発明もあります。無駄な発明をたくさんしてもプロの発明家とはいえません。

 ですので、ここでは、メソッドを使って、狙って確実にモノになる発明を生み出す方法をお教えします。

 このメソッドでは、以下の5ステップで発明を生み出していきます。

1.テーマを決める
2.ニーズを洗い出す
3.隠れたニーズを炙り出す
4.ソリューション(発明)を生み出す
5.さらに深い第2段階のニーズとソリューションを生み出す

 進めていく間に、特許が取れそうかどうか、マネタイズができそうかどうか、検討して試行錯誤していきます。

5ステップのフロー同書より転載 拡大画像表示

「ヒラメキ」だけではなく
「マネタイズ」もしっかり考える

 まずは、どの分野で発明するかを決めましょう。発明は「空から降ってくるように思いついて、それを商品化する」と思っている人が多いと思いますが、自分の持っているノウハウからたまたま思いついた発明を特許化する、商品化する、という「シーズ型発明(注1)」だけでは「プロ発明家」にはなれません。

 空から降ってくるヒラメキを待っているだけでは、思いついた愛の歌を歌うだけのアマチュアミュージシャンと一緒で、継続的に発明を生み出してマネタイズすることはできないのです。

「テンポ150で四つ打ち、制服のまま走り出したくなるような青春映画の主題歌を書いて」という発注リクエストに名曲を作って応えるのがプロミュージシャンであるように、決めたテーマに対して確実に感動的な発明を出せるのが「プロ発明家」だと僕は考えます。

注1:シーズ志向は開発する側の技術やノウハウを元にしてプロダクトを世に出していく思考法。一方、ニーズ志向は消費者が求めているものを与えるためにプロダクトを作っていく思考法。